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Amazon輸出の税務調査が増えています!

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近頃、Amazon輸出に対する税務調査が増えています。

通常、法人であれば3年に1回のペースで税務調査が来るのですが、今年は1年待たずに税務調査が来た事例や、
今年の2月~3月の確定申告において、新規にAmazon輸出の所得を申告された方の全件を対象に質問状を送付し、誤りがあれば税務調査に入るといった手法も見受けられています。

税務署がこうした動きをしているのには訳があります。
『あまりにも確定申告の誤りが多い』ためです。
残念ながら、税理士に依頼していても多いというのが実情のようです。
(実際に弊事務所にも税務調査が来ました(*1)。その際に、担当官に直接確認した事項です。)

Amazon輸出はここ数年間でメジャーとなったビジネスですが、税制の改正(*2)が頻繁に行われている事や、海外の税制が絡む分野なので、日本の税務に詳しいだけでは適切な帳簿の作成・税務アドバイスが出来ません。

また消費税還付に必要な要件を満たすために必要な書類を準備できていないケースも多々見受けられます。
特に最近は無在庫販売からFBA販売にシフトしています。その場合、FBA販売特有の税務上の論点に対応しなければいけません。

その他に、国際税務を巡る改正が今後行われる予定です。
米Amazonを巡る税務訴訟(*3)に見られるように、従来、インターネット販売においては「どの国で課税するか」が明確にされていませんでしたが、2015年末にOECD(経済協力開発機構)が主導するBEPS行動計画(*4)により租税条約モデル(OECDモデル条約)が見直されましたので、
後は、日本各国と輸出先の国との間で租税条約の改正が行われたタイミングで、
輸出先の国の法人税(個人の場合は所得税)を納めなければいけない可能性があります。

欧州付加価値税についても、未納付分について追徴課税を受けるケースが増えているとの話も耳にしています。
(このタイミングで追徴課税を受ける方が増えたのは、上述したBEPS行動計画が2015年末に完了した事で、世界各国で足並みを揃えて課税する土壌が出来た事が一因かもしれません。)

このように、日本の消費税だけではなく、様々な税制が絡むため、税務リスクが非常に高いのがAmazon輸出の特徴です。

弊事務所では、Amazon輸出のビジネス・税務リスクの変化に対応するために、様々な方から情報収集を行い、適宜、お客様にフィードバックするようにしております。
特に今後は「攻めのサービス」だけでなく、「守りのサービス」の重要性も高まってきますので、十分にご留意される事をおすすめ致します。

*1…税務調査の際の重点的な検討事項は、①消費税還付を受けるための帳簿要件を満たしているか、②郵便によって海外に輸出している場合は、10万円以上⇒輸出許可通知書の原本の提出、10万円未満の場合は、帳簿(若しくは別途作成している配送記録一覧表)に、輸出国・相手先の名称・住所等が記録されているか、③Amazonから送付されるVAT(消費税)のINVOICEに基づく帳簿を作成しているかが重要なポイントです。弊事務所では、上記事項を満たした適切な帳簿を作成していたため、指摘事項なく、税務調査が終了しております。

*2…直近では平成27年10月1日から、消費税法が改正されております。当該改正により、Amazonから送付されるVAT(消費税)のINVOICEに基づく帳簿の作成が必要になりました。今年の2月~3月の確定申告において、当該書類を利用して帳簿を作成していない場合は、誤った確定申告をしている可能性があります。

*3…米Amazonのビジネスモデルは、日本Amazonに商品の保管と引渡し(物流機能)のみを持たせた上で、商品を日本の消費者に販売しています。「日本Amazonは物流機能しかない」というのが非常に重要なポイントでして、これにより日本Amazonは日米租税条約でいうところの恒久的施設(PE)には該当しないとされています。国際税務では、恒久的施設(PE)がある国で課税するとの原則があるため、「日本国内に恒久的施設(PE)が存在しない」とされた米Amazonは、日本の消費者に販売した利益は日本では課税されず、米国で課税される事となります。当該取扱いを巡り、以前、Amazonと国税庁にて税務訴訟がありましたが、国税庁の敗訴となりました。
なお、その後、OECDが主導するBEPS行動計画により租税条約モデルが見直され、日本Amazonが担っている物流機能のみであっても恒久的施設に該当するとされています。

*4…BEPS(税源侵食と利益移転)行動計画とは、「どの国で課税すべきか」を明確にするために世界各国が足並みを揃えて条約モデルを作成するアクションプランの事を言います。特に近年はインターネットを利用したビジネスが主流になりビジネスの拠点が曖昧なケースが増えたことで、従来の租税モデル(ビジネスの拠点がある国で課税)では対応出来なくなった事から、世界各国が足並みを揃えて、租税条約モデルを見直す事となりました。2015年末にBEPS行動計画の最終報告書が開示されましたので、2016年若しくは2017年には、日本の関連する税制(租税条約含む)が改正されると考えられます。

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