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国際税務~マレーシア国に在住している方が、日本国でAmazon輸出をされる場合~

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最近は、海外在住の方が日本国内のネットショップで商品を仕入れ、海外Amazonに輸出する場合の申告について、相談を受ける機会が増えております。

海外在住の方が日本でビジネスをされる場合、様々な国の税法が関わってきますので、非常に難解なイメージを持たれると思います。
またインターネット上にほとんど情報がないため、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、そのような方向けに税法上の考え方を説明したく、執筆いたしました。

今回は事例として「マレーシア国に在住している日本人セラー様が日本国でAmazon輸出をされる場合」について、ご説明いたします。

所得税・法人税と消費税に分けて考える!

マレーシア国に在住している日本人セラー様が日本国でAmazon輸出をされる場合、
Amazon輸出により儲けた利益をどの国に納税したら良いのか悩まされると思います。

この「儲けた利益」を納税するのは、
個人事業主の方なら⇒『所得税』
法人の方なら⇒『法人税』
と呼ばれる税法に基づいて行われます。

一方、消費税については、全く別の税法になります。
所得税・法人税とは全く違うロジックで納税するか否かが判定されます。

本記事では、まず「所得税」「法人税」のケースについてご説明いたします。

キーワードは『租税条約』!

海外在住の方が日本国内でAmazon輸出をされる場合、どちらの国で所得税・法人税を申告・納税すべきなのかは、原則として「租税条約」と呼ばれる二国間の取り決めにより判断されることになります。

マレーシア国の場合は、平成11年に日本との間で租税条約を締結しておりますので、当該租税条約の内容をAmazon輸出事業に当てはめて考える事になります。

実際に、例を用いてご説明いたします。

<前提条件>
・商品の仕入は、日本国内のネットショップにて実施
・仕入れた商品は、日本国内の提携(外注)先に発送される。
・提携(外注)先が受領した商品は、梱包の上、海外Amazonに発送される。

このような前提条件の場合、具体的に、以下のような流れで申告先の国を決定します。

・所得税・法人税の場合
①日本とマレーシアのどちらで納税すべきかは、「日マレーシア租税条約(*1)」と呼ばれる条約に基づいて判断します。
*1 正式名称:所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とマレイシア政府との間の協定
原文はこちら↓(日本国の外務省のホームページです。)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-H11-1237_1.pdf

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-H11-1237_2.pdf

②租税条約では、「事業拠点(*2)が存在する国で納税する事」を原則としております。
*2 本来は「恒久的施設」と呼ばれておりますが、あえてわかりやすい単語に置き換えて説明しております。

③ここでいう事業拠点とは、「セラー様のために、継続的に在庫を保有し相手先に引き渡す方=在庫保有代理人」も含まれます。
⇒その他の租税条約では在庫保有代理人が事業拠点から除外されているケースが大半なのですが、マレーシアとの租税条約では在庫保有代理人も事業拠点に含まれますので、注意が必要です。

④日本国内のネットショップで購入した商品を、日本国内で受け取った上で、梱包・発送等の業務をしている方が「日本国内」にいる場合、その方が在庫保有代理人として事業拠点とみなされます。
⇒通常、海外在住の方が日本でAmazon輸出をされる場合、セラー様自身は商品の受取等が出来ないため、代理の方に業務を外注する事になります。
この代理の方が「在庫保有代理人」となります。

⑤在庫保有代理人が日本国内にいるため、日本国で、所得税・法人税の確定申告をする事となります。

⑥上記ロジックにより日本国で申告・納税する場合、マレーシア国では確定申告は要しません。
⇒マレーシア国では、海外で生じた利益(所得)については課税対象とされないためです。

消費税の申告・納税は『売上高1千万円』で判定!

消費税の場合は、日本国内から海外に向けて販売した(課税)売上高が年間で1千万円を超えるかどうかにより判定されます。
こちらは、海外在住であろうとも、日本在住の方と同様の考え方により、消費税の申告を行ないます。

したがいまして、(課税)売上高が1千万円を超えた場合、その2年後から消費税の申告が必要となります。

いかがでしょうか?

国際税務の分野は、様々な国の税法と租税条約が複雑に絡んでくるため、
自分で内容を調査し答えを探し出すのは非常に難しいものとなっております。

またインターネットを利用した物販(Amazon輸出含む)については、現在、世界中で足並みを揃えるように税法の改正が行われておりますので、判断が難しい箇所がいくつも存在します。

何か不安な事がありましたら、誤った判断をしないためにも、是非一度、ご相談して頂ければと存じます。

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